NTEは原神や鳴潮を超える覇権ゲーにならない?ベータテストの評価は?

『原神』、そして『鳴潮』。アニメ調オープンワールドというジャンルは、今やソーシャルゲーム市場の最前線と言えるでしょう。この激戦区に、新たな挑戦者として名乗りを上げたのが『NTE (Neverness to Everness)』です。7月から始まったクローズドベータテスト(CBT)では、その斬新なコンセプトに期待の声が上がる一方で、いくつかの課題点を指摘する声もあります。

「都市型オープンワールドという響きは魅力的だけど、実際どうなの?」「ガチャが優しいって聞いたけど、本当?」そんなゲーマーたちの声に応えるべく、本記事では、配信者たちのプレイ映像などから明らかになったベータテストの評価を多角的に分析。NTEが抱える課題、そして秘められた大きな可能性について、深く掘り下げていきます。あなたのその疑問、この記事が解決の手助けになるはずです。

そもそもNTE
(Neverness to Everness)とは?

NTEは、多くのプレイヤーが慣れ親しんだ『原神』や『鳴潮』と同じ、基本プレイ無料のソーシャルゲーム(ソシャゲ)形式を採用したオープンワールド・アクションRPGです。最大の特徴は、その舞台設定にあります。『原神』のテイワット大陸や『鳴潮』のソラリスのような、幻想的な自然風景が広がる世界とは一線を画し、NTEは高層ビルが立ち並ぶ「都市」をメインフィールドとしています。

この「ソシャゲ×都市型オープンワールド」というコンセプトは、多くのゲーマーにとって新鮮に映るでしょう。近未来的な都市を自由に駆け回り、建物から建物へと飛び移りながら探索し、都市で発生する様々なミッションをこなしていく。そのプレイスタイルは、既存のアニメ調オープンワールドとは異なる、新たな体験を提供してくれる可能性を秘めています。プレイヤーは美麗なグラフィックで描かれたキャラクターを操作し、この広大な都市に隠された謎を解き明かしていくことになります。

ベータテストの評価は賛否両論?
見えてきた課題と可能性

大きな期待と共に始まったベータテストですが、その評価はまさに賛否両論といった状況です。「都市型オープンワールドは新しい」「今後の展開が楽しみ」といったポジティブな声が多く見られる一方で、いくつかの課題を指摘する声も上がっています。

一部のプレイヤーからは、「どこかで見た要素の寄せ集め」といった厳しい意見も聞かれます。都市の探索感覚やアクション、UIデザインなど、様々な部分で他の人気ゲームの影響が見て取れるためです。これは先行する成功作をリスペクトし、良い部分を取り入れようとした結果なのかもしれません。

ただ、個人的な感想を述べさせてもらうと、それらの要素がまだ完全には融合しておらず、NTEならではの強烈な個性にまでは昇華されていない、という印象を受けました。もちろん、これはまだ開発途中の段階での話です。話題性の高いコンセプトでスタートダッシュを決めた後、プレイヤーを長期的に惹きつけるためには、この「NTEらしさ」をいかに確立していくかが鍵となりそうです。

グラフィックの評価は?
鳴潮ユーザーには物足りない?

ビジュアルは、ゲームの第一印象を決定づける非常に重要な要素です。NTEのグラフィックは、遠景で見たときの都市の風景やライティングなど、目を見張る部分も多く、その美しさを称賛する声は少なくありません。

アートスタイルは、HoYoverseの『ゼンレスゾーンゼロ』のような、ポップでスタイリッシュな雰囲気に近いものがあります。そのため、『原神』や『ゼンゼロ』のグラフィックに慣れているユーザーであれば、比較的スムーズに受け入れられるでしょう。

一方で、比較対象として名前が挙がりやすいのが『鳴潮』です。

『鳴潮』はキャラクターや背景の細部に至るまで非常に高いクオリティを実現しているため、そちらに慣れたプレイヤーからは、NTEの細部の作り込みに対して物足りなさを感じるという意見も見られます。そのため、一部では「ハリボテ感」、つまり表面的な美しさはあっても、ディテールの密度が少し足りないと感じるプレイヤーもいるようです。このあたりは、今後のブラッシュアップでさらにクオリティが向上することに期待したいポイントです。

アクションの爽快感は鳴潮や
ゼンゼロに及ばないという意見も?

アクション性の高さも、このジャンルのゲームでは評価が分かれるポイントです。NTEのアクションについても、様々な意見が交わされています。

戦闘システムは比較的オーソドックスにまとめられており、「シンプルで分かりやすい」「誰でも楽しめそう」といった肯定的な意見が見られます。複雑な操作を要求されないため、アクションゲームが苦手なプレイヤーでも楽しめる間口の広さがあると言えるでしょう。

しかしその一方で、より刺激的なアクションを求めるプレイヤーからは、物足りなさを指摘する声も上がっています。あくまで個人的な意見ですが、『鳴潮』の高速戦闘やパリィからのカウンター、『ゼンゼロ』の爽快な連携技のような、プレイヤーを熱中させる「もう一押し」、つまりNTEならではの突出したアクション要素が加わると、さらに魅力が増すのではないかと感じました。また、都市型オープンワールドとして比較されがちな『GTA』シリーズが持つ圧倒的な自由度と比べると、ミッション遂行や探索の幅については、これからの充実に期待したいところです。

NTE最大の魅力?
「すり抜けなし」ガチャは諸刃の剣か

ここまでNTEが持ついくつかの課題点について触れてきましたが、それらを補って余りある、非常に大きな魅力が存在します。それが、ガチャシステムです。この点については、多くのプレイヤーから絶賛の声が上がっています。

多くのソーシャルゲームで採用されているガチャには、「すり抜け」という仕組みが存在します。これは、最高レアリティが確定で排出される場面でも、目当てのピックアップキャラクターではなく、別の恒常キャラクターが出てしまう可能性がある、というものです。

しかし、NTEはこの「すり抜け」システムを撤廃しているとされています。つまり、最高レアリティが確定する場面では、必ずピックアップされているキャラクターが手に入るのです。これは、プレイヤー、特に無課金や微課金で楽しみたいユーザーにとっては、この上なく良心的なシステムと言えるでしょう。欲しいキャラクターを手に入れるための計画が立てやすく、安心してガチャを引ける点は、大きなアドバンテージです。

一方で、このユーザーフレンドリーなシステムは、運営側にとって大きな挑戦でもあります。ユーザー一人当たりの課金額が、すり抜けありのゲームに比べて減少する可能性があり、長期的な開発費や運営費を確保できるかという課題も考えられます。この「すり抜けなし」制度が、NTEを長期的な成功に導く強力な武器となるのか。今後のソーシャルゲーム市場の動向を占う上でも、非常に興味深い試みです。

原神・鳴潮・ゼンゼロの
牙城を崩せるのか?

最終的にNTEが目指すのは、『原神』や『鳴潮』のような覇権ゲームの座でしょう。そのためには、これらのゲームを既にプレイしているユーザーを、NTEに引き込む必要があります。しかし、その道のりは極めて険しいと言わざるを得ません。

現代のエンターテインメントは、ゲームに限らず、動画配信サービスやSNSなど、無限に存在します。私たちユーザーが持つ「可処分時間」は有限であり、その限られた時間をどのコンテンツに費やすか、常に選択を迫られています。

『原神』には、長年の運営で積み上げられた広大な世界と重厚なストーリー、そして魅力的なキャラクターたちがいます。『鳴潮』には、他の追随を許さない圧倒的グラフィックと、スタイリッシュで奥深いアクションがあります。『ゼンゼロ』には、ユニークな世界観と爽快な連携バトルがあります。これらのゲームは、それぞれが強力な魅力を持ち、強固なファンベースを築き上げています。

NTEをこれらのゲームと並行してプレイするユーザーは現れるでしょう。しかし、メインで遊ぶゲームをNTEに乗り換えてもらう、つまり「1番手」の座を奪うことは、相当に困難です。現状のNTEが「2番手、3番手」の候補に上がることはあっても、トップに躍り出るには、やはり繰り返しになりますが、他を圧倒するほどの「独自性」が不可欠だと考えられます。

今後のアップデートで「鳴潮」
のように化ける可能性は?

ここまでNTEが直面している課題について述べてきましたが、悲観的な材料ばかりではありません。忘れてはならないのは、これがまだ正式リリース前の「ベータテスト」段階であるということです。

記憶に新しいのが『鳴潮』の例です。『鳴潮』はリリース直後、ストーリーの分かりにくさなどから厳しい批判にさらされました。しかし、開発チームはユーザーからのフィードバックに真摯に耳を傾け、大型アップデートで劇的な改善を実施。その姿勢と改善内容が高く評価され、多くのユーザーの信頼を取り戻すことに成功しました。

この事例は、リリース後の運営と改善がいかに重要であるかを示しています。NTEも、今回のベータテストで得られた賛否両論の声を真摯に受け止め、グラフィックの向上、アクションシステムの改善、そしてNTEならではの独自コンテンツの追加といったブラッシュアップを重ねることで、評価を大きく覆す可能性を十分に秘めています。

現時点での評価だけで全てを判断するのは早計です。NTEが今後、どのように成長していくのか。その真価が問われるのは、正式にリリースされてからと言えるでしょう。

まとめ

この記事では、新たなアニメ調オープンワールドとして注目される『NTE』について、ベータテストの賛否両論の評価を基にその現状と将来性を分析しました。

  • コンセプトと評価
    NTEは「ソシャゲ×都市型オープンワールド」という新鮮なコンセプトで期待を集めています。一方で、ベータテストではグラフィックの細部やアクションの独自性などについて、プレイヤーから様々な意見が寄せられています。
  • 開発の狙いと今後の課題
    超大作『GTA6』のリリース前に市場での立ち位置を確立したいという戦略が考察されますが、そのためには「NTEらしさ」の確立が今後の大きな課題となります。
  • 最大の魅力と挑戦
    多くのプレイヤーから絶賛されている「すり抜けなし」のガチャシステムは、NTE最大の武器です。同時に、このシステムで長期的な運営をいかに実現していくかは、開発の大きな挑戦でもあります。
  • 市場での立ち位置と可能性
    現状では、先行する覇権ゲームの牙城を崩すのは容易ではありません。しかし、まだNTEは発展途上の段階です。『鳴潮』がリリース後のアップデートで評価を上げたように、ユーザーの声に応えて改善を重ねることで、NTEが大きく「化ける」可能性は十分にあります。

NTEが、数多のゲーマーの心を掴み、市場を牽引する覇権ゲームへと成長できるのか。その鍵は、開発チームがユーザーの声にどれだけ真摯に向き合い、他のゲームにはない唯一無二の魅力を打ち出せるかにかかっています。今はまだ未知数な部分が多いからこそ、今後の動向から目が離せない、注目のタイトルであることは間違いありません。

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