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2023年に発売され、eスポーツシーンを席巻している大人気格闘ゲーム『ストリートファイター6』(以下、スト6)。
その世界最強を決める公式世界大会「カプコンカップ」(CC)の決勝配信が、突如有料化されると発表され、国内外のファンやプロゲーマーから大きな批判の声が上がっています。優勝賞金100万ドル(約1.5億円)という夢のある大会の集大成が、なぜ多くのファンが視聴しにくい形になってしまったのでしょうか。
この記事では、今回のカプコンカップ有料化問題について、その詳細な内容から炎上に至った理由、国内外のプロゲーマーたちのリアルな意見、そして今後のスト6シーンに与える影響まで、ゲームファンが今最も知りたい情報を徹底的に解説していきます。なぜ「高すぎる」と批判されているのか、この決定の裏には何があるのか、そして今後の見通しはどうなるのか。この一本で全ての疑問にお答えします。
CC有料化の具体的な内容は?
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SFL: Pro-JP 2025 プレイオフ
SFL: Pro-JP 2025 グランドファイナルhttps://t.co/X4V8ZWsFKOCAPCOM CUP 12
SFL: ワールドチャンピオンシップ 2025https://t.co/pgk0gs4dz8 pic.twitter.com/0q6Ajy8NYx— CAPCOM eSports (@CAPCOM_eSports) September 28, 2025
まず、今回の発表で何がどう変わるのか、具体的な内容を整理しましょう。
今回有料となるのは、2026年3月に日本の両国国技館で開催される「CAPCOM CUP 12」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2025」の最終盤、最も盛り上がる2日間のライブ配信です。
- 対象日程①:2026年3月14日(土)
- 内容:カプコンカップ12 Top16決勝
- 料金:4,000円
- 対象日程②:2026年3月15日(日)
- 内容:SFLワールドチャンピオンシップ
予選2日目&決勝 - 料金:4,000円
- 内容:SFLワールドチャンピオンシップ
- セット料金
- 上記2日間の通しチケット:6,000円
これまでのカプコンカップは、予選から決勝まで全て無料でライブ配信されてきたため、今回の変更はファンにとって大きな驚きとなりました。カプコン側は有料化の理由を「今後の一層の発展と拡大を目的」としていますが、この価格設定と対象が物議を醸しています。
なお、ライブ配信を見逃した方向けに、有料配信の1週間後となる3月21日(土)と22日(日)に、YouTubeやTwitchの公式チャンネルで無料のアーカイブ配信が予定されています。しかし、リアルタイムで大会の熱狂を共有できないことへの不満は大きいようです。
なぜCC有料化は炎上したのか
今回の有料化発表が、なぜこれほどまでの大きな「炎上」に発展してしまったのでしょうか。その理由は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。
1. ゲーム本体より高い価格設定
最も直接的な批判の的となったのが、その価格設定です。2日間のセット料金6,000円は、『ストリートファイター6』の通常版ソフトの価格に迫る、あるいはセール時などには上回る可能性のある金額です。
多くのファンが「ゲームを買うのと同じくらいのお金を、大会の視聴権に払うのは高すぎる」と感じたのは自然なことでしょう。
特に、SFL(ストリートファイターリーグ)の決勝などは昨年も有料でしたが、カプコンカップはオープンな世界大会の頂点です。誰もが参加できるオンライントーナメントから勝ち上がってきた選手たちの戦いを、これまでは誰もが無料で見守ることができました。そのオープン性が格闘ゲームコミュニティの活性化に繋がっていただけに、高額なペイパービュー(PPV)形式への移行は、多くのファンを失望させました。
2. ファンを裏切るような発表方法
発表の仕方も炎上に油を注ぎました。この重大な変更は、TGS(東京ゲームショウ)2025のカプコンステージで、「重大発表」と銘打たれて告知されました。ファンは新キャラクターの参戦や大型アップデートといったポジティブなニュースを期待していましたが、発表されたのは実質的な「値上げ」の報告でした。
さらに、ステージ上にはカプコンのスタッフは登壇せず、キャスターやプロゲーマーが発表の矢面に立つ形となったことにも批判が集まりました。ファンからは「なぜ選手にこんな発表をさせるのか」「会社の決定なら社員が説明すべきだ」といった声が上がり、カプコンの姿勢そのものへの不信感を募らせる結果となりました。
3. グローバルな視点の欠如
『スト6』は世界中でプレイされており、カプコンカップは世界中のファンが注目するグローバルなイベントです。しかし、今回の価格設定は、明らかに日本の物価感覚を基準にしたものと見られています。
EVO2025覇者であるMenaRD選手がわざわざ日本語で「私の地域を含む多くの地域では、このゲームをプレイする余裕すらほとんどない」と訴えたように、国や地域による経済格差を全く考慮していない価格設定は、海外コミュニティから強い反発を招きました。
納得しがたいです
日本ではこれが普通だと理解していますし、ありがたいことにコミュニティはまだこの方法で支え合えています。
しかし、私の地域を含む多くの地域では、このゲームをプレイする余裕すらほとんどない。ストリートファイターの頂点を楽しむ機会を阻まれるべきではない。… https://t.co/DAVzvxvUWu
— WBG MenaRD🇩🇴 (@_MenaRD__) September 28, 2025
世界大会と銘打っておきながら、一部の裕福な国のファンしか楽しめないような仕組みは、eスポーツの理念に反するという意見も多く見られます。
4. 新規ファンを遠ざける懸念
プロゲーマーたちからも最も多く指摘されているのが、「新規ファンが減ってしまうのではないか」という懸念です。これまで、「たまたま配信で見かけた世界大会が面白くて、スト6を始めた」というプレイヤーは非常に多くいました。カプコンカップのような最高峰の戦いは、ゲームの魅力を伝える最高の広告塔だったのです。
その入り口を有料化で閉ざしてしまうことは、コミュニティの未来の成長を妨げる行為に他なりません。特に格闘ゲームは、観戦をきっかけにプレイを始める「動画勢」と呼ばれるファン層が厚いジャンルです。彼らが気軽に視聴できなくなる影響は計り知れないと、多くの関係者が危惧しています。
プロゲーマー/配信者はどう考えてる?
日々『スト6』と向き合い、シーンの最前線に立つプロゲーマーや配信者たちは、この問題をどう捉えているのでしょうか。複数の人の意見から、その考えを探ります。
どぐら選手「賞金を下げてもいい」
ベテランプロゲーマーでCR所属のどぐら選手は、自身の配信で「見る人がどれだけ減るだろうか」と、視聴者数の減少を最も心配していると語りました。格闘ゲームを始めるきっかけとして大会視聴が非常に大きな役割を果たしていると強調し、その機会が失われることを危惧しています。
そして、「優勝賞金100万ドルに引っ張られすぎているのでは」と指摘。シーンの発展のためには、高額賞金を維持することよりも、多くの人に見てもらうことの方が重要だとし、「別に選手側からしたら賞金下げてもいいですよ」と、選手目線での大胆な意見を述べました。
Sasatikkさん
「今のCCのシステムと合ってない」
人気ストリーマーでもあるSasatikkさんは、「今のCCのシステムと合ってない」と、より構造的な問題を指摘します。現在のカプコンカップは世界中の予選から無名の強豪が勝ち上がってくる面白さがあり、それがオープンな大会の魅力だと語ります。その集大成が有料でクローズドな形になるのは「チグハグな気がする」と、強い違和感を示しました。
一方で、チーム対抗戦である「SFL」の有料化には一定の理解を示しつつも、オープンな個人戦の頂点である「CC」は無料であるべきだと主張。マネタイズの方法として、選手のサイン入りアイテムガチャなど、ゲーム内課金での代替案を提案しています。
ももち選手
「世界大会は無料の方がいい」
元忍ism GamingのCEOで現在はZeta Division所属のももち選手は、プレイヤーの立場から「より多くの人に見て欲しいから、基本は無料の方がいい」と自身のスタンスを明確にしました。有料化自体を全否定するわけではないものの、「カプコンカップ」という世界大会が持つ広告塔としての役割を重視しています。
彼は、「熱量の高い人に向けてのコンテンツをもっと強化して、払いたい人にちゃんと払ってもらう」という方向性を提案。例えば、選手にスポットを当てたドキュメンタリーなど、コアなファン向けのコンテンツを有料化し、誰もが注目する世界大会の決勝は無料公開することで、新規ファンの獲得と収益化を両立させるべきだと語りました。
海外の反応はもっと厳しい?
国内からも批判的な意見が相次いでいますが、海外のコミュニティからの反発はさらに深刻です。カプコンの公式Xアカウントには、世界中のファンやプロからの批判的なコメントが殺到しました。
- iDom選手
(Capcom Cup 2019王者)「お気に入りの選手が投げループされるのを見るためにお金を払いたい人なんていない」と皮肉を込めて批判。 - Sajam氏
(人気コメンテーター)「世界の多くの地域では価格設定が厳しい出費になる」と、グローバルな視点での問題を指摘。 - Big Bird選手
(中東のトッププロ)「非常に驚くべき奇妙な決定。これは彼らにとってプラスにはならない」と断言。 - MenaRD選手
(EVO2025王者)前述の通り、日本語で経済格差への配慮を求め、「まだ時期尚早だと思います」とカプコンに再考を促しました。
このように、海外のトッププレイヤーやインフルエンサーがこぞって反対の声を上げており、今回の決定が世界中のコミュニティにいかに大きな衝撃を与えたかがうかがえます。
開発チームも知らなかった?
この騒動の中、さらにファンを驚かせたのが、『スト6』のディレクターである中山貴之氏のX(旧Twitter)での発言でした。
It may sound strange, but it’s true. Revenue targets and assigned tasks differ fundamentally by department. Even the development team was surprised by this announcement(At least Matsumoto and I were shocked at the venue)That said, since this matter occurred within the same…
— TAKA-nakayama (@takaNakayama) October 2, 2025
ファンからの「eスポーツ部門と開発チームが切り離されているように見える」という指摘に対し、中山氏は「奇妙に聞こえるかもしれませんが、事実です」「開発チームでさえこの発表には驚きました」と返信。なんと、ゲームを開発している中心人物たちでさえ、今回の有料化決定を知らされていなかったことを明かしたのです。
この発言から、今回の決定がゲーム開発の現場ではなく、eスポーツ事業部門の主導で進められたことが明らかになりました。同じ会社内でありながら、部門間の連携が取れておらず、ゲームの未来を想う開発者の意図とは異なる形で物事が進んでいるという現状は、多くのファンにカプコンという企業そのものへの不安を抱かせることになりました。
中山氏は続けて「現在協議中です。ご心配をおかけして申し訳ありません」とも投稿しており、事態の収拾に向けて開発チームも動き出していることを示唆しています。
なぜカプコンは有料化に踏み切った?
開発チームも知らない決定だとしたら、なぜeスポーツ部門はこれほど反発の大きい有料化に踏み切ったのでしょうか。公式な理由は「一層の発展と拡大のため」とされていますが、その背景にはいくつかの事情が推察されます。
最大の理由は、やはりeスポーツ事業の収益化でしょう。プロゲーマーたちも指摘するように、優勝賞金100万ドルという破格の金額や、両国国技館という大規模会場の確保など、大会の運営には莫大なコストがかかります。これまではゲーム本体の売上などから費用を捻出する「投資」のフェーズだったのかもしれませんが、事業として継続していくためには、大会単体でのマネタイズが必要だと判断したと考えられます。
『スト6』の商業的な成功を受けて、「これだけの人気があるなら、有料でもファンはついてきてくれるはずだ」という強気な判断があった可能性も否定できません。しかし、その価格設定や発表方法がファンの心理を無視したものであったため、大きな反発を招く結果となってしまいました。
有料化で『スト6』は衰退してしまう?
ファンが最も懸念しているのは、「この一件でスト6の人気に陰りが出てしまうのではないか」ということでしょう。有料化が今後のシーンに与える影響は、決して小さくないと考えられます。
- 新規ファンの流入減少
これはほぼ確実と言えるでしょう。これまで最大の宣伝の場であった世界大会の決勝が有料になることで、「ちょっと見てみよう」というライト層が激減します。長期的に見れば、コミュニティの先細りに繋がる深刻な問題です。 - リアルタイムでの盛り上がりの喪失
1週間後に無料配信があるとはいえ、eスポーツの醍醐味はリアルタイムでの観戦とSNSなどでの熱狂の共有にあります。有料化によってリアルタイムの視聴者数が減れば、大会期間中の話題性やSNSでのトレンド入りといった機会も失われ、お祭りとしての熱気が削がれてしまうでしょう。 - 海外コミュニティの離反
特に海外からの反発は根強く、「カプコンは自分たちのことを見てくれていない」という不信感が生まれています。海外のトッププレイヤーたちのモチベーション低下や、ファンの関心が他のゲームに移ってしまう可能性も考えられます。
これらの懸念点を踏まえると、今回の有料化が現状のまま強行されれば、これまで築き上げてきた『スト6』の盛り上がりに水を差すことは避けられないかもしれません。
最近のカプコン、少し心配?
『スト6』の大ヒットや、「バイオハザード」シリーズのリメイク作品の成功など、近年のカプコンは絶好調に見えます。しかし、その一方で今回の有料化問題や、開発中の『モンスターハンターワイルズ』に関する一部の情報でファンから懸念の声が上がるなど、ユーザーとの間に少しずつ溝が生まれているようにも感じられます。
企業として利益を追求するのは当然のことですが、その方法がファンコミュニティの熱意を削ぐものであっては本末転倒です。好調な時だからこそ、これまで支えてきてくれたファンを大切にする姿勢が求められているのではないでしょうか。
今後の展開と見直しはある?
絶望的な状況に見えますが、まだ希望はあります。前述の通り、『スト6』の中山ディレクターが
「現在協議中」と明言しているからです。
開発チームがファンの声を受け止め、社内で働きかけていることは間違いありません。この協議の結果、以下のような変更が行われる可能性が考えられます。
- 料金設定の見直し(値下げ)
- チケットに限定スキンなどの特典を追加
- SFLのみ有料とし、CCは無料に戻す
- 有料化の完全撤回
世界中のファンやプロ、そしてゲーム開発者本人たちからもこれだけの声が上がっている以上、カプコンが何らかの対応を迫られる可能性は十分にあります。今後の公式発表が待たれます。
まとめ
今回大きな物議を醸している「カプコンカップ有料化」問題について、その要点をまとめます。
- 有料化の概要
- カプコンカップ12とSFL世界決勝の最終2日間のライブ配信が有料化。
- 料金は2日間セットで6,000円と、ゲームソフトに匹敵する高額設定。
- 炎上の主な理由
- 高すぎる価格設定: ゲーム本体よりも高いと感じるファンが多い。
- 不誠実な発表方法: 「重大発表」と煽り、選手に告知させたことへの批判。
- グローバルな視点の欠如: 世界の経済格差を無視した価格設定。
- 新規ファンの阻害: ゲームの入り口となるべき世界大会を有料化したことへの懸念。
- 関係者の反応
- 国内プロ/配信者: どぐら選手、Sasatikkさん、ももち選手など、多くが視聴者減少を懸念し、反対や慎重な姿勢を示している。
- 海外コミュニティ: トッププロやコメンテーターから、より直接的で厳しい批判が殺到している。
- 開発チーム: 『スト6』の中山ディレクターが「開発は知らなかった」「現在協議中」と明かし、社内での連携不足が露呈した。
- 今後の見通し
- 現状のままでは、新規ファンの減少やコミュニティの熱量低下は避けられない可能性が高い。
- しかし、開発チームが事態の収拾に動いているため、料金の見直しや決定の撤回など、何らかの変更が行われることに期待が寄せられている。
今回の有料化は、eスポーツ事業の収益化というカプコン側の事情と、コミュニティの発展を願うファンの思いが大きくすれ違った結果と言えるでしょう。この一件がどのような形で着地するのか、それは『ストリートファイター6』、ひいてはカプコンの未来を占う重要な試金石となりそうです。