NTEのPC&PS5の初動売上は?ネバエバのスマホのセルランでは爆死?

2026年4月29日に待望のリリースを迎えた超現実オープンワールドRPG『Neverness to Everness』(以下、NTE)。事前登録者数も多く大きな期待を集めていた本作ですが、公開直後のスマートフォン版のセールスランキングが「期待外れではないか」という声が一部で上がっています。

しかし、その実態を詳細に分析すると、従来のスマートフォン向けソーシャルゲームとは全く異なる収益構造とユーザーの動向が浮き彫りになってきました。本記事では、最新の売上データをもとに、本作が本当に「爆死」なのか、それとも次世代のヒットモデルなのかを論理的に解説します。

NTE初動売上は全世界で23億円を突破

PC版とPS5版が売上の75%を占める

4月30日に実施された投資家向けオンライン説明会にて、Hotta Studioが開発したNTEのグローバルリリース初日の売上高は、全世界で1億中国人民元(約23億円)を突破したことが判明しました。この数字は、オープンワールドRPGの初動としては非常に堅調な滑り出しであり、決して「爆死」と呼べるような内容ではありません。

特筆すべきはプラットフォーム別の売上構成比で、従来のモバイル主体のゲームとは異なり、PCとコンソール版のシェアが極めて高い点です。全世界の売上の約75%をPCおよびPS5版が占めており、特に中国国内ではPC版のシェアが約65%に達しています。

日本のPS Storeで首位を獲得

日本国内においても、PlayStation Storeの売上高順位で首位(1位)を獲得するという快挙を成し遂げています。

これは、日本のユーザーが本作を「腰を据えて遊ぶハイエンドなゲーム」として認識し、PS5で積極的に課金している証拠と言えるでしょう。

一方で、スマートフォン版の収益が全体に占める割合は約25%にとどまっており、これがモバイル中心のランキングで順位が低く見える要因となっています。スマホ版の数字だけを見てゲームの成否を判断するのは、本作においては実態を見誤る可能性が高いのです。

スマホ版セルランは「爆死」なのか

日本国内のiOS・Android順位推移

 

日本におけるスマートフォン版のセールスランキング(セルラン)の動きを具体的に見ていくと、リリースの勢いはやや緩やかです。「Game-i」のデータによると、iOS版はリリース当日の4月29日に41位を記録しましたが、その後は5月1日に53位、5月2日には54位と推移し、5月現在の平均順位は47位。

Android版についても5月2日時点で28位となっており、現時点の平均順位は35.5位。爆発的なトップ10入りを期待していた層からは「爆死」と揶揄される一因となりました。しかし、この順位推移には本作特有のゲームデザインと、プラットフォーム戦略が大きく影響していると考えられます。

出典:https://game-i.daa.jp/?APP/6754593077

無料人気順位とインストール数の乖離

順位の数字だけが注目されがちですが、無料アプリのランキングでは2位を記録しており、注目度自体は非常に高いことが分かります。Google Playでのインストール数も短期間で264万を突破しており、多くのユーザーがまずはゲームを体験しようとしている状況です。

課金ランキングが伸び悩んでいるように見えるのは、課金を急がせるようなゲーム設計ではないことや、他のプラットフォームへの分散が主因です。インストール数という「母数」は確保できているため、今後の運営施策次第で収益が伸びる余地は十分にあります。

高スペック要求がスマホ勢を圧迫か

推奨スペックの高さと端末代金の壁

NTEがスマホ版のセルランで苦戦している最大の理由は、その驚異的な「要求スペック」の高さにあると考えられます。本作はUnreal Engine 5を採用しており、他のオープンワールド作品(原神や鳴潮など)と比較しても、要求されるハードウェア性能が一段高いのが特徴です。

公式発表された推奨スペックを確認すると、AndroidではSnapdragon 8 Gen 2以上、iOSではiPhone 14 Pro以上が求められています。これだけの性能を持つ最新端末を揃えるには20万円近い投資が必要であり、多くのスマホユーザーにとって大きな参入障壁となっています。

ストレージ容量とSSD推奨の重要性

データ容量についても、PC版で解凍時に120GBの空きが必要であり、スマートフォン版でも最低20GB以上の確保が必須です。さらに快適な動作のためにはSSDへのインストールが推奨されており、一般的なスマートフォンの性能を遥かに超える体験を前提としています。

この「ハイスペックの壁」により、手元のスマホで動作が重いと感じたユーザーが、プレイを諦めるかPC・PS5版へ移行しています。結果としてスマホ版のプレイヤー層が限定され、アプリ内課金のランキングに反映されにくい構造が出来上がっているのです。

脱モバイルを加速させるPS5の優位性

端末価格とパフォーマンスの逆転現象

最新のiPhone(約21.5万円)を購入するよりも、PS5(約6.7万円)を購入する方が遥かに安価で高品質なプレイ体験が得られる現状があります。このコストパフォーマンスの逆転現象により、あえてスマホで遊ぶ必要性を感じないユーザーが急増しています。

実際、開発元のPerfect Worldは、ユーザーが大画面でのプレイを好む傾向(脱モバイル化)が強まっていると説明しています。そのため、App Storeのランキングだけではゲーム全体の収益実態を反映しきれていないというのが公式の見解です。

探索重視のプレイスタイルとの親和性

NTEは都市探索や生活要素を重視しており、じっくりと腰を据えて世界観に浸るプレイスタイルが主流となっています。スマートフォンの小さな画面での短時間プレイよりも、テレビやモニターの大画面で楽しむ方がゲームの本質を味わいやすいのです。

こうしたユーザーの嗜好の変化が、PS5版の売上首位という結果に直結しており、モバイル版の苦戦を補って余りある成果を上げています。プラットフォーム別の偏りは、むしろ「ターゲット層が意図したデバイスで遊んでいる」という健全な結果とも解釈できます。

独自のマネタイズが順位に与える影響

ガチャ依存から都市生活要素への転換

従来のソシャゲが初動でセルラン1位を獲る要因の多くは、強力なキャラクターを排出する期間限定ガチャにあります。しかしNTEは現段階において、キャラクターに関連する課金圧を意図的に抑えた設計を採用しているのが特徴的です。

本作はキャラクター単体ではなく、車、住宅、コスチュームといった「都市生活要素」の有料コンテンツを重視する方針を掲げています。この収益モデルは短期間の爆発的な売上よりも、長期的なライフスタイルへの課金を促すものであり、ランキングへの反映も緩やかになります。

すり抜けなしの親切設計による影響

また、本作は「すり抜けがない」という、プレイヤーに非常に有利な課金設計を導入していることも話題となりました。一般的なゲームではお目当てのキャラが出るまでに多額の費用がかかりますが、本作ではそのリスクが低く抑えられています。

ユーザーにとっては非常に良心的な仕様ですが、短期的には運営側の「客単価」を下げる要因にもなり得ます。これがセルラン順位を押し下げる一因となっていますが、ユーザーの満足度と定着率を高めるという長期的な戦略に基づいたものです。

NTEの公式スペック一覧

記事の内容を補足するため、公式から発表されている要求スペックを以下にまとめました。

プラットフォーム最低スペック推奨スペック
PC (Windows)Core i7-10700 / GTX 1660 / 16GB RAMCore i7-12700 / RTX 3060 / 32GB RAM
AndroidSnapdragon 855 同等以上 / 6GB RAMSnapdragon 8 Gen 2・3 / 8GB RAM以上
iOSiPhone 12 Pro Max / 6GB RAMiPhone 14 Pro 以上
ストレージPC: 60GB以上 (解凍時別途60GB)スマホ: 20GB以上の空き容量

PC版の推奨メモリが32GBである点からも、本作がどれほど次世代のグラフィックスに特化しているかが伺えます。このスペックを満たせるデバイスを所有しているユーザーこそが、NTEの真のターゲット層と言えるでしょう。

まとめ

本記事では『Neverness to Everness』の初動売上と、スマホ版セルランの現状について多角的に分析しました。

  • 初動売上は全世界で23億円を突破しており、滑り出しは非常に好調である

  • 売上の約75%をPCとPS5が占めており、日本のPS Storeでも1位を獲得している

  • スマホ版のセルランが低く見えるのは、高スペック要求によりPCやPS5にユーザーが流入しているため

  • ガチャ依存ではなく、住宅や車といった「都市生活要素」を重視した独自の収益モデルを採用している

  • 「脱モバイル」の流れを象徴する作品であり、アプリランキングだけで成否を語ることはできない

結論として、NTEは決して「爆死」したわけではなく、むしろハイエンドオープンワールドゲームの新しい勝ち筋を示していると言えます。スマートフォンでのプレイに限界を感じている方は、この機会にPS5やPCでのプレイに切り替えて、その真価を体験してみてはいかがでしょうか。